長期にわたり勤続した従業員に対し「永年勤続表彰金」等の名目で表彰金を支払う事業所様は少なくないかと存じます。 この「永年勤続表彰金」については、社会保険において報酬に含めるか否かで見解が分かれていましたが、このたび日本年金機構より統一見解が周知され、取り扱いがQ&Aにて明確化されました。これにより、一定要件を満たすものについては「報酬等」に該当しないものとされています。
(「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」より)
問3 事業主が長期勤続者に対して支給する金銭、金券又は記念品等(以下「永年 勤続表彰金」という。)は、「報酬等」に含まれるか。
(答) 永年勤続表彰金については、企業により様々な形態で支給されるため、その 取扱いについては、名称等で判断するのではなく、その内容に基づき判断を行 う必要があるが、少なくとも以下の要件を全て満たすような支給形態であれば、 恩恵的に支給されるものとして、原則として「報酬等」に該当しない。
ただし、当該要件を一つでも満たさないことをもって、直ちに「報酬等」と判断するのではなく、事業所に対し、当該永年勤続表彰金の性質について十分 確認した上で、総合的に判断すること。
≪永年勤続表彰金における判断要件≫
① 表彰の目的
企業の福利厚生施策又は長期勤続の奨励策として実施するもの。なお、支給に併せて
リフレッシュ休暇が付与されるような場合は、より福利厚生としての側面が強いと
判断される。
② 表彰の基準
勤続年数のみを要件として一律に支給されるもの。
③ 支給の形態
社会通念上いわゆるお祝い金の範囲を超えていないものであって、表彰の間隔が概ね
5年以上のもの。
標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集
ここでは社会保険の取り扱いについてご案内しましたが、労働保険や所得税法ではまた取り扱いが違います。
労働保険では「永年勤続表彰金」の類は報酬に含めず、所得税法では一定の条件により課税しなくてよいことになっています。
詳しくは下記にてご確認ください。
2023年7月3日