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法改正情報育児休業中の社会保険料免除について

2023年1月27日

令和4年10月に「改正育児・介護休業法」が施行され、「出生時育児休業(産後パパ育休)」が新たに制定されました。各メディアでも取り上げられていることから、みなさまの会社でも、男性からの育児休業に関する問い合わせが増えてきたのではないでしょうか。

今回の改正により、お子さまが1歳に達するまでの期間、育児休業の分割取得ができるようになりました。これにより、短期間の育児休業を複数回に分けて取得するケースも増えてくると思われます。

育児休業中の社会保険料免除

このたびの改正により、社会保険料免除の取り扱いが複雑化しました。それに伴い、このコラムでは、社会保険料免除の取扱いのうち、とくに短期間の育児休業に対応した変更について解説します。給与計算業務や、従業員様へのご案内にお役立てください。

【ケース 1】同月内に複数回の育休を取得するとき

改正日(令和4年10月1日)以降に開始する育児休業において、毎月の社会保険料が免除されるのは、以下の2つのパターンです。
 

(1)月の末日が育児休業等期間中である場合 → 従来通り「免除」

(2)同月中に合算して14日以上育児休業等を取得した場合(月の末日が育児休業等期間でない場合) → 改正により「免除」
  

同月内に複数回の育休を取得する場合

(2)のケースについては、育児休業等の開始日と終了日が同月内にあるのがポイントです。また、同じ月に複数回取得した育児休業等は、合算して育児休業等期間の算定をします(上記図参照)。
 

1回に取得する育児休業等の期間が短い場合でも、同じ月内に育児休業を複数回取得しており、それら日数を合計して14日以上になれば免除対象となるため、注意が必要です。
 

また、産後パパ育休中は、一定条件のもと就業することも可能となっています。その場合、就業した(またはする予定)の日数は、育児休業期間からは除きます(時間単位での就業の場合は、合計時間数÷所定労働時間数で換算し、端数は切捨て)。

【ケース 2】産後パパ育休や育児休業を連続して取得するとき

前述の通り、今回の改正では、お子様が1歳に達するまでの育児休業を、分割して取得できるようになりました。取得要件を満たしていれば、所定休日や有給休暇をはさんで「産後パパ育休」を分割取得することが可能です。
 

また、「産後パパ育休」から続けて(1日も空けず)通常の「育児休業」を取得する場合、形式上は「産後パパ育休」と「育児休業」、2つの休業を取得する形になります。これらは制度上、異なる休業であるためです。
 

とはいえ、いずれのパターンでも2つの休業の間に職場復帰をしているわけではありません。社会保険料免除の取り扱いにおいては、以下の図のように、1つの育児休業等として社会保険料免除の可否を判断することになります。
 

産後パパ育休や育児休業を連続して取得する場合

【ケース 3】賞与の社会保険料免除 ※開始日が月末の時は要注意

育児休業中の社会保険料の免除は、賞与も対象です。ただし、この場合の育児休業は、連続して1か月を超えるものに限られます。
 

改正前(令和4年9月30日まで)は、月末時点で育児休業等を取得していれば、育児休業の日数にかかわらず、その月に支払われる賞与にかかる社会保険料が免除になっていました。
 

しかし改正日(令和4年10月1日)以降に開始する育児休業については、連続して1か月を超えて育児休業を取得する者に限り、賞与にかかる社会保険料を免除するよう改正されました。そのため賞与が支払われる月においては、毎月の給与にかかる社会保険料は免除されても、賞与にかかる社会保険料は控除される、といったケースがあり得ます。
 

ポイントは1か月超という点です。たとえば12月16日から1月15日までの育児休業はちょうど1か月(1か月以内)となるため、免除の対象になりません。一方、12月16日から1月16日の育児休業であれば1か月を超えるため(1か月+ 1日)、免除の対象となります。
 

1か月超の期間の判断は、民法第143条(暦による期間の計算)により行います。また、この期間に就業した日数・時間数を控除する必要はありません。
 

賞与の社会保険料免除について

とくに注意が必要なのは、育児休業等の開始日が月末の場合です。1月31日を育児休業等の開始日とし、2月28日を終了日とした場合、ちょうど1か月となるため免除にはなりません。免除となるのは、3月1日以降を終了日とした場合です。(民法第143条第2項)
 

「改正育児・介護休業法」の施行により、柔軟に育児休業が取得できるようになりました。しかし、改正後の育児休業等にかかる社会保険料の取扱いには、注意すべき点が多くあります。短期間の育児休業の申し出にそなえ、社会保険料の免除について整理しておくとよいでしょう。

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